HPVワクチン腫瘍内投与で皮膚がん消失

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米・高齢女性の症例報告

皮膚がんの一種である有棘細胞がん(扁平上皮がん)に罹患した90歳代の女性に対し、9価ヒロパピローマウイルス(HPV)ワクチンを全身投与後、さらに同ワクチンの腫瘍内への直接投与を行った結果、複数の腫瘍が全て消失したことを、米・University of MiamiのAnna J.Nichols氏らがJAMA Dermatol(2018; 154:927-930)で報告した。この経験を踏まえ、同氏らは「9価HPVワクチンは、手術不能の有棘細胞がんに対する治療選択肢の1つになりうる」と主張している。

筋肉内投与後、腫瘍内に直接投与

今回治療を実施したのは、免疫能が維持されている90歳代の女性患者で、右下肢に圧痛がない多数の大きな腫瘍があった。
病理学的検査や免疫組織化学的検査により、基底細胞がんと有棘細胞がんの両方の特徴をもった類基底細胞有棘細胞がんであることが確認された。
複数の腫瘍のうち、最も大きな腫瘍に対しては、Mohs手術を施行したが、「患者の年齢や腫瘍の状態を考慮すると、追加の手術や放射線治療は実施不能と考えられた」と説明。
また、患者が全身化学療法を拒否したため、9価HPVワクチンによる治療に踏み切ったという。

初めに、9価HPVワクチンを6週間隔で2回筋肉内投与した。
その3週後には、最もサイズが大きな3つの腫瘍を選び、2.5mlの生理食塩水で希釈した同ワクチン0.5mlを腫瘍内に直接投与した。
さらに、その後8か月間で3回、同程度の用量のワクチンを腫瘍内に投与した。

その結果、2回目の腫瘍内投与2週後に腫瘍サイズが縮小し、消失した腫瘍も認められた。
さらに、初回の腫瘍内投与11か月後には臨床的にも組織学的にも有棘細胞がんは全て消失していた。

直接投与しなかった腫瘍も全て退縮

有害事象は、ワクチンを投与した日に認められた軽度の疼痛のみで、全身性の有害事象の報告はなかったとしている。
さらに、初回の腫瘍内投与後24か月時点で、有棘細胞がん再発の臨床的なエビデンスは認められていないという。

この症例は「9価HPVワクチンの全身投与と腫瘍内投与を組み合わせた治療によって、複数の有棘細胞がんが完全に退縮した初めての症例」という。
なお、この治療によって「著明な効果が認められたため、追加の治療は不要だった」としている。

今回、ワクチンを直接投与しなかった腫瘍も退縮した点について、同氏らは「ワクチンが局所で拡散して効果を発揮した可能性がある。また、ワクチンが免疫を介した機序に影響を及ぼした可能性もある」との見方を示している。

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