意識障害の鑑別疾患「AIUEO TIPS」(アイウエオチップス) 医師、看護師、医学生のためのお勉強

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80代男性。食事前までは元気で、食事中に野球中継をテレビで観て興奮。その後から元気がない。ぼーっとしている。

上記のような患者さんが外来へやってきたときに鑑別疾患として何を思い浮かべるでしょうか。

意識障害の患者さんが来た時に、鑑別疾患を思い出すのに有名な合言葉として「AIUEO TIPS」(アイウエオチップス)というものがあります。

A:Alcohol アルコール

I:Insulin 低・高血糖

U:Uremia 尿毒症

E:Encephalopathy 脳症(高血圧性、肝性)
  Electrolytes 電解質異常
  Endocrine 内分泌疾患

O:Oxygen 低酸素(一酸化炭素中毒等も)
  Overdose 中毒

T:Trauma 外傷
  Temperature 低・高体温

I:Infection 感染症

P:Psychiatric 精神科
  Porphyria ポルフィリア

S:Shock ショック
  Stroke 脳血管障害
  SAH クモ膜下出血
  Seizure 痙攣(非痙攣性も。)

アルコール、インスリン、ウレミア、エンセファロパシー、エレクトロライツ、エンドクリン、オキシジェン、オーバードーズ、トラウマ、テンパレチャー、インフェクション、サイカイアトリック、ポルフィリア、ショック、ストローク、ザー、スィージャー。

呪文のように覚えましょう。

上記の患者さんは昔、胃潰瘍で胃切除の手術歴のある方。

応援していたチームが負けて、興奮して一気に食事を食べたことで晩期ダンピング症候群(低血糖)を起こしていました。

ルート確保をして50%ブドウ糖2Aの静注。

お酒をたくさん飲む人はビタミンB1欠乏になりやすいのでビタミンB1も投与します。

程なく回復して良くなりました(^^)

意識障害の中でも治せる代謝異常は早く治しましょう。

 

 

 

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