私の訪問診療している担当患者さん。
かれこれ50年以上、自営で中華料理屋を営んできました。
今はおじいちゃんになって引退。
先日徘徊して、家族が家の周辺を探し回り、見つかったのは10km先の歩道。
9:00に家からいなくなり、見つかったのは16:00。
7時間の散歩。移動距離10km以上。
その後、腰痛が出現し、歩けなくなりました。
おそらく、散歩中に転んだのでしょう。
私の勤務している病院に連絡し、すぐに入院の手配をしました。
腰椎圧迫骨折が見つかり、ダーメンコルセットを作製し装着。
約1ヶ月リハビリをして歩けるようになって退院しました。
今、訪問診療を再開しています。
行くと、相変わらずおばあちゃんと夫婦漫才のような、冗談まじりのケンカをいつもしています。
診療が終わったあとに出してくれる、とろとろ大根の鶏スープとコーヒーは温かくて優しい味。
味は息子さん夫婦、そしてお孫さんに引き継がれていきます。
認知症になっても、尊敬される存在のおじいちゃん。
少しでもながく、おばあちゃんと夫婦漫才を続けてほしいものです。