Categories: 神経内科

脳梗塞急性期の血栓回収療法の適応時間広がる

発症時刻不明の脳梗塞にも積極治療

脳梗塞急性期の積極治療として血栓回収療法が注目されています。

症例を選べば、発症16~24時間まで有効なことが明らかになりました。

就寝中の発症といった発症時刻不明例に積極治療の道が開かれた意義は大きく、日本でもその普及が期待されます。

発症から6~16時間と、やや時間が経過した脳梗塞でも血栓回収療法は有効であることを示すDEFUSE3試験の結果が、2018年1月に米国ロサンゼルスで開催された国際脳卒中会議(ISC2018)で発表されました。

発症16時間までの血栓回収療法に、確固たるエビデンスができたので、朝起きた時、既に神経症状が出ていたといった発症時刻不明の脳梗塞も、今後は血栓回収療法の検討対象となります。

血栓回収療法とは、内頚動脈や中大脳動脈など脳主幹動脈の血栓性閉塞に対して、閉塞部位でステントなどを展開して血栓を把持回収することで、血管を再開通させようという治療法です。

日本では主に、ステント型のデバイス(ステントリトリーバー)3種類と、血栓を吸引して回収するデバイス1種類が使われています。

DEFUSE3の対象は、
⓵発症(無症状であることが最後に確認された時刻)から6~16時間以内。
⓶神経症状の重症度が中等度以上。
⓷CT/MRIで急性期の梗塞巣(虚血コア)の1.8倍以上の低灌流域があり、血流が回復すれば救済可能な領域(ペナンブラ)が一定以上ある。

などの条件を満たした症例です。

治療可能時間が広がったことで、血栓回収療法の標準治療としての位置付けは、より高まったといえます。

しかし、現状の日本では同療法の普及は万全ではありません。

今後は救急搬送から血栓回収療法を含めた高度医療まで、脳梗塞急性期医療全体の見直しが必要不可欠と言えそうです。

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